膀胱粘膜上皮の非腫瘍性組織変化に関する検討第1報 : 132生検例について

概要

論文の詳細を見る
膀胱粘膜上皮の非腫瘍性組織変化が膀胱腫瘍の既往のない症例において、どの程度の頻度でみられるかを生検により検討した。対象は男性55例、女性77例、計132例で、ほとんどの症例に血尿、頻尿、排尿痛等の症状がみられた。最も多い変化はBrunn's nestsで52例(39.4%)にみられた。前立腺肥大症の症例において特にその頻度が高く、14例中10例(71.4%)にみられた。cystitis glandularis, squamous metaplasia, hyperplasia, dysplasiaはそれぞれ21例(15.9%)、16例(12.1%)、13例(9.8%)、5例(3.8%)にみられた。Columnar metaplasia, cuboidal metaplasiaはまれであり、それぞれ2例(1.5%)、1例(0.8%)にみられたのみであった。squamous metaplasiaは男性では55例中2例(3.6%)にしかみられなかったのに対し、女性では77例中14例(18.2%)と有意に女性で高頻度にみられた。次にそれぞれの病理組織変化と慢性炎症との関係をみるために粘膜固有層のリンパ球浸潤を検討した。上皮に変化のみられなかった症例では56例中27例(48.2%)がリソバ球浸潤陽性であったのに対し、cystitis glandularisは21例中15例(71.4%)と陽性例が多く、さらにsquamous metaplasia, hyperplasiaもそれぞれ16例中11例(68.8%)、13例中9例(69.2%)と陽性例が多かった。この結果よりこれら3つの変化と慢性炎症との密接な関係が示唆された。
社団法人日本泌尿器科学会の論文

膀胱粘膜上皮の非腫瘍性組織変化に関する検討第1報 : 132生検例について

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク

膀胱粘膜上皮の非腫瘍性組織変化に関する検討 第1報 : 132生検例について

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク

膀胱粘膜上皮の非腫瘍性組織変化に関する検討第1報 : 132生検例について