肥大前立腺組織におけるα_1-アドレナリン受容体の局在 : [^<125>I]-HEATならびに[^3H]-prazosinによるオートラジオグラフィー

概要

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13例の前立腺肥大症患者より摘出した前立腺標本を用い,α_1-アドレナリン受容体の局在をin vitroオートラジオグラフィーで検討した。使用したリガンドと濃度は[^<125>I]-iodo-2-[β-(4-hydroxyphenyl)-ethylaminomethyl]tetralone ([^<125>I]-HEAT ; 2nM,0.2nM)と,[^3H]-prazosin (20nM,5nM)であった。反応時間は室温で60分間,露光時間はそれぞれ,[^<125>I]-HEATが18〜36時間,[^3H]-prazosinが4〜8週間であった。得られたin vitroオートラジオグラムはリガンドの種類にかかわらず,それぞれの濃度に依存していた。[^<125>I]-HEATを用いた場合,α_1-アドレナリン受容体に対する特異的結合部位は,肉眼的には主として前立腺結節と思われる部位に認められた。一方,[^3H]-prazosinの場合は特異的結合部位はあまりはっきりしなかった。顕微鏡レベルでの局在をみると,問質,特に前立腺結節部の間質(主に平滑筋細胞胞体)に銀粒子の集積が認められた。また一部は腺房や小管の基底膜から腺上皮にかけて銀粒子がみられた。今後症例を重ねるとともに,他のリガンドを用いた検討も行なう。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1991-01-20