前立腺癌220症例の治療成績

概要

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浜松医大泌尿器科及び関連病院で1977年4月より1987年3月までの10年間に経験した前立腺癌は,220症例であった.年齢は45歳から91歳までで70歳代が過半数を占めた.Stage Aが3.5%,stage Bが19-7%,stage Cが21.2%,stageDが55.6%であった.初回治療としてホルモン剤投与が175例(79.5%)におこなわれた.初回治療効果は,216例中181例(83.8%)にみられた.ホルモン剤投与群では175例中153例(87.4%)であった.再燃は181例中59例(32.6%)に確認された.ホルモン剤投与群では153例中48例(31.4%)であった.再燃までの期間はstage D群が他の群より有意に短かった.血中アルカリ性フォスファターゼ値の高値,血沈の光進,水腎を伴う症例が有意に再燃率が高かった.220症例のうち51例(23.2%)が前立腺癌で死亡し,全症例の5年生存率は41.2%であった.High stage, high grade群では有意に予後不良であった.治療成績・心血管系の合併頻度よりホルモン療法としてジエチルスチルベストロール・2燐酸100mgの連日経口投与は有効と考えられた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1989-09-20