LHRH agonistが長期投与された前立腺癌症例における骨折の臨床的検討
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概要
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(背景と目的)Luteinizing hormone0releasing hormone(LHRH)agonistは前立腺癌に対し,広く用いられている薬剤である。しかし長期投与によって低テストステロン状態が長期に続くことにより,骨ミネラルが減少し骨粗鬆症が助長され,骨折の原因になることが報告されている。今回我々は前立腺癌に対し,LHTH agonist知立中に骨折した症例において,骨密度,骨代謝マーカーを測定した。(対象および方法)1994年から1998年までにLHRH agonistによる治療を行った前立腺癌196例中骨折を起こした13例(7%)を骨折群とし,骨折を起こしていない70例を非骨折群とした。交通事故による骨折は除外した。骨密度測定はQuantitative computed tomography(QCT)による第3腰椎の骨量を,骨代謝マーカーとしてオステオカルシン,尿中タイプ1コラーゲンN末端テロペプタイド(NTx),1,25-(OH)_2ビタミンD,副甲状腺ホルモン(PTH)およびカルシトニンを測定した。(結果)骨折症例の平均年齢は78歳,治療開始から骨折までの期間は11〜45ヵ月(平均27ヵ月)であった。前立腺癌骨転移部位の骨折は1例もなかった。骨量測定では,骨折群は非骨折群に比較し有意に低値であった。骨代謝マーカーの中ではNTxが高値を示した。(結論)前立腺癌に対しLHTH agonistを長期に投与している症例においては,定期的に続発性骨粗鬆症の評価を行い,必要に応じて骨粗鬆症の治療を開始する必要があると考えられた。
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 2000-06-20
著者
-
大石 幸彦
東京慈恵会医科大学泌尿器科
-
波多野 孝史
東京慈恵会医科大学本院 泌尿器科学
-
田代 和也
神奈川県立厚木病院泌尿器科
-
大石 幸彦
東京慈恵会医科大学 放射線医
-
五十嵐 宏
熊谷外科病院泌尿器科
-
仲田 浄治郎
東京慈恵会医科大学柏病院泌尿器科
-
簗田 周一
神奈川県立厚木病院
-
岩室 紳也
神奈川県立厚木病院
-
古田 昭
神奈川県立厚木病院
-
滝沢 明利
神奈川県立厚木病院
-
五十嵐 宏
東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室
-
波多野 孝史
東京慈恵会医科大学本院泌尿器科
-
波多野 孝史
東京慈恵会医科大学附属柏病院 放射線部
-
波多野 孝史
神奈川県立厚木病院
-
田代 和也
厚木市立病院泌尿器科
-
田代 和也
神奈川県立厚木病院
-
岩室 紳也
厚木市立病院泌尿器科
-
波多野 孝史
慈恵大第三
-
滝沢 明利
厚木市立病院 泌尿器科
-
簗田 周一
横浜LUTS研究会
-
古田 昭
東京慈恵会医科大学泌尿器科
-
田代 和宏
東京慈恵会医科大学泌尿器科教室
-
仲田 浄次郎
慈恵大青戸
-
滝沢 明利
神奈川県立がんセンター泌尿器科:国際親善総合病院泌尿器科
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