MRIによる腎血管筋脂肪腫(AML)の診断
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概要
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核磁気共鳴映像法(以下MRI)の腹部における臨床応用は限界があり,現時点ではX線CTを越える有用性は認められていない.しかしMRIは画像上あるいはT1測定より水と脂肪との分別は容場であり,その臨床応用が期待されている.今回最近2年間に慈恵医大泌尿器科を受診し,腎血管筋脂肪腫と診断された5例について他の腎腫瘤患者27名と比較してMRIの臨床的有用性を検討した.撮影装置は東芝製常伝導型MRIMRT MODEL 15A静磁場強度は0.15テスラ(1,500ガウス)である.今回の検討に当ってはX線CTを初めとする他の画像診断法も参考にし,その評価には手術所見や組織所見を参考にした.その代表2例を提示した.MRIは腎血管筋脂肪腫5例中4例(80%)に特徴的画像を示した.すなわち形態学的情報として,生体内脂肪織は非常に短いT1と比較的長いT2となるため,腎血管筋脂肪腫は,1)T1強調画像で腫瘤が腎実質に比べて明るく写り,腎周囲脂肪織や皮下脂肪織と同程度の信号強度となり,2)実際のT1測定で腫瘍部のT1が腎実質に比べて明らかに短い,という所見がみられる.また非手術例においてはMRIを頻回に撮影し,その経過観察をすることも可能であり,MRIの腎血管筋脂肪腫診断への有用性が認められた.
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