男鹿半島・門前層下部(漸新統),潜岩・加茂溶岩部層のK-Ar年代

概要

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男鹿半島・第三系門前層下部の潜岩・加茂溶岩部層は従来, 岩系の違い, 層位関係 (下位=潜岩溶岩部層, 上位=加茂溶岩部層) などに基づいて定義されてきた部層である。著者らは戸賀湾北方に分布する火山岩相を潜岩溶岩部層, 戸賀湾南端部〜門前間に分布するものを加茂溶岩部層と呼ぶこととし, それぞれの部層をステージI(下位)〜IV(上位)に細分した。両部層の間で, 火山岩相および記載岩石学的特徴の垂直変化に大きな差は認められない。ステージ区分に従って, 潜岩溶岩部層(試料数:5個), 加茂溶岩部層(試料数:9個)の火山岩類についてK-Ar年代の測定を行った。ステージIの試料からは良好な結果がえられなかったものの, ステージII以降の火山作用は34 Ma前後に始まり, 31 Ma頃に終了したこと, 二つの部層が同時期に形成されたこと, およそ26 Maに始まる真山流紋岩部層の形成期まで, 約500万年間の火山活動が低調な時期(休止期)が存在したこと, また, この休止期が東北日本内帯に広く認められることなどが明らかになった。
日本地質学会の論文
1995-11-30