中蝦夷地変の再検討と北海道の白亜紀テクトニクス
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概要
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白亜系蝦夷層群の下部と中部の境界(L/M境界)は不整合をもって定義され, この不整合を形成した変動は中蝦夷地変と呼ばれている.中蝦夷地変の時期や特徴を明らかにするため, 北海道中軸部に沿った添牛内, 大夕張-芦別, 金山西部, 金山南部, 双珠別, 日高およびイドンナップの7地域でL/M境界の"基底礫岩層"の岩相・堆積相・地質年代を再検討した.その結果, "中部蝦夷層群の基底礫岩層"とされていた岩相は, 西列に関しては蝦夷層群中部の丸山層最下部の土石流堆積物に対比され, 東列に関しては蝦夷層群下部シューパロ川層中部のオリストストローム層に相当し, いずれも基底礫岩とはいえない.したがって, 従来の中蝦夷地変において想定された不整合を形成する隆起帯は, 中期白亜紀には存在しなかった可能性が高い.しかしながら, 蝦夷層群の下部〜中部にかけてはテクトニックな事件を示唆する堆積物が2層準(オリストストローム, 珪長質凝灰質砂岩層)に存在し, 中蝦夷地変にかわる事件として注目される.
- 1999-10-15
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