ポストモンダンの音楽理論 : E. Narmourにおける認知的音楽分析への発展過程
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
音楽分析の理論は、客観性を欠くがゆえに数限りなく唱えられる。しかし、認知音楽学や音楽心理学、そしてまた、音楽知能などコンピュータサイエンスの研究者たちが注目し、関心を抱いている音楽理論はLerdahl & JackendoffとE. Narmourによる理論の二つに収斂されつつあると言ってよいだろう。このうち前者は、言語学の生成文法をモデルにしているとはいえ、シェンカー理論に近く、古典和声に依拠しているために理解しやすい。一方、後者、ナームアの理論は「Beyondo Schenkerism」以降、マイヤー理論から独自の理論へと急速な展開を見せているため注目はされても理解することが難しい。ナームア理解の鍵となるものは、おそらく3つの原型理論、すなわちシェンカーのUrsaze、マイヤーのArchetype、そして90年代ナームアのMelodic Archetypeを区別することだろう。言い換えれば、歴史的文脈の中に今日のナームア理論を位置づけるということである。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-07-21
著者
関連論文
- モーツアルト風作品の作曲過程と演奏解釈(Rencon)
- パネル討論会「コンピュータサイエンスとしての音楽情報処理」の報告 : 第52回全国大会シンポジウム
- 音楽ビートと運動ビートのタイムラグについて : マーチングステップの熟達者と未経験者の相違について
- 国際会議報告 「第3回アジア太平洋音楽教育シンポジウム」および「裏声とジェンダーの国際シンポジウム」
- 演奏における表情的逸脱(expressive deviation)とそのルールについて : グリーグのピアノ協奏曲第1楽章冒頭主題と第2主題のアゴーギク,ディナーミク,およびその連動の分析を中心にして
- MAXを利用したVoice Shooting Game
- パネル・ディスカッション 音楽理論の新展開 (日本音楽学会第57回全国大会総覧)
- 蓮根:演奏生成システムによるピアノコンクール実施推進のためのワークショップ : 報告とパネルディスカッション
- 入門:音楽情報科学のための音楽理論 : 東川理論の応用を中心にして
- 視覚フィードバックによる音痴の治療 : SINGAD から VSG (trace) による方法へ
- 日本人のアウフタクト : 70年代歌謡曲における3モーラのアップビート処理を中心にして
- (5)コンピュータ音楽におけるパフォーマンスをめぐって : 人とステージ(SIGMUS第27回研究発表会報告・質疑記録)
- 問題提起
- コンピュータミュージックにおけるパフォーマンスをめぐって : 人とステージ
- 90年代おじさんの歌えない若者の歌〜その2 : 弱化モーラによる配字シンコペーションとおじさんの音楽情報処理
- パネルディスカッション : 音楽情報科学と音楽学、作曲、そしてその教育
- アナクルーシスのパターン構造と演奏における傾向(その2)
- 音楽認知と音楽情報科学 : 音楽情報科学のの音楽用語(理論)の再検討
- 音長の原構造パターンとクロージャーランキングの設定
- P2178 声域の発達に関する研究の再吟味 (その2)
- アナクルーシスのパターン構造と演奏における傾向
- FFT解析による裏声-表声の換声点の特定化
- 学習6024 声域の発達に関する研究の再吟味 : 幼児の裏声(頭声)と音楽訓練の効果を視点として
- ポストモンダンの音楽理論 : E. Narmourにおける認知的音楽分析への発展過程
- 音楽解釈システムMIS : イデオストラクチャの表現