音長の原構造パターンとクロージャーランキングの設定
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概要
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本論の目的は、構造音の決定に関わる音長クロージャーに関して、次の二つの問題を理論的に整理することである。第1は、ナームアの旋律的原型構造の理論を、音長の原型パターンとして応用してみせること。応用的に分析した結果、音長にも旋律の場合のような原型構造-3つの基本プロセス型と、6つの派生クロージャー型、合計9つのパターン-を抽出することができた。すべての音長パターンは、この9つの原型パターンの組み合わせとして考えることができるわけである。第2の問題は、この9つのパターンが、クロージャーとしてのアクセントを生じさせるとすれば、どのように決定、測定されえるかということ。ここでは、従来の音長アクセントの理論にこだわることなく、長-短の進行的プロセスにおいても、変化として認知される条件のもとでは、クロージャーとしてとらえることとした。そうすることによって、6つの派生型のクロージャーの質的な違いと、量的なレベル、ランキングの設定が可能となったのである。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-10-21
著者
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