デュアル酵素電極を用いるヒポキサンチンとポリアミンの同時定量フローインジェクション分析 (<特集>健康と分析化学)

概要

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クロスフロー型デュアル電極の二つの白金検出部(φ3mm)に,プトレスシン酸化酵素とキサンチン酸化酵素のウシ血清アルブミンとの架橋被膜をそれぞれ形成させ,更に1,2-ジアミノベンゼンの電解重合膜をハイブリッド化したデュアル酵素電極を作製した。二つの検出部をキャリヤーの流れに対して並列に配置することで,各検出部はポリアミンとヒポキサンチンのそれぞれにほぼ特異的に応答し,L-アスコルビン酸などの被酸化性物質による妨害を除去できた。各検出部での応答電流は2×10-6〜2×10-3Mのポリアミンとヒポキサンチンの濃度に対して,それぞれ良好な直線関係があった。測定の再現性は相対標準偏差で1.1〜1.6%であり,分析速度は最大で100試料/時間であった。本法をブタ肉抽出液中のポリアミンとヒポキサンチンの同時定量に適用した結果,5°Cで保存したブタ肉に対して4日目にヒポキサンチン量が,9日目にポリアミン量が急激に増加し,本法がブタ肉の簡便な鮮度評価法として利用できる可能性を示した。
社団法人日本分析化学会の論文
2000-06-05