分散電子図書館における情報アクセス機構

概要

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広域分散した情報環境で, 画像を含む大規模なマルチメディア文書情報のデータベースを構築する際には, 対象となる情報資源の識別, 検索, 同定等が問題になる。この問題の典型は, インターネット上で分散協調して運用される電子図書館のような応用で見ることができる。本稿での電子図書館とは, 広義にとらえ, マルチメディア文書を蓄積してネットワーク上に提供するデータベースシステムと考える。[設計上の検討事項] : インターネット上で動作する電子図書館の設計には一般に, (a) サーバの分散化, (b) 情報の一意性と永続性, (c) 情報の粒度, (d) 位置透明性, などが問題になる。本稿では大規模な分散マルチメディア情報システムにおける情報オブジェクトの識別, 同定, 検索等の問題を解消するための手法を扱う。この目的のためURSというオブジェクト参照の仕様の記述方法を提案し, これを解決してオブジェクト識別子を生成し, オブジェクトへのアクセスを可能とすることを試みた。また, 学術情報センターで運用している電子図書館システムNACSIS-ELSへ適応して, 応用上の問題を検討したので報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24