分散プロセス間における大域変数の共有方法

概要

論文の詳細を見る
近年、複数のワークステーションがネットワークを介して接続された、分散型システムが計算機環境を構築しつつある。また、分散型システム上での並列処理の要望も高まっている。我々は、分散型システムにおいて並列処理を達成するため、並列化コンパイラを検討している。並列化コンパイラによって、逐次実行するプログラムから、複数の計算機上で並列実行可能なプロセス群が得られるが、プロセス群間で共有される大域変数の処理には注意が必要である。大域変数を共有したプロセス群がプログラムを逐次的に実行した場合と実行結果が異ならないように、各プロセスを実行制御する必要があるためである。分散型システムには通常共有メモリなどは装備されていないので、プロセス間での通信処理によって各プロセスが矛盾なく、大域変数を参照・更新する機構が必要である。我々は、プログラムの実行結果に矛盾が生じないように各プロセスの実行を管理する手法を開発した。本稿では、この手法を用いてプロセス間で大域変数を共有する方法について述べる。
1993-09-27