遅延ナローイング抽象機械のアーキテクチャ

概要

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我々は、遅延ナローイング(lazy narrowing)と呼ばれる計算モデルに基づいたプログラミング言語Evを設計し、その処理系を開発している。この言語は、等式の反駁による証明をプログラムの実行の基本的な機構とするものであり、証明の過程の中で値の必要になった関数項を、遅延評価により簡約する。我々の処理系では、この言語で記述されたプログラムを、まず基本式(basic feom)と呼ばれる形式に変換する。さらに、それを抽象機械の命令列に変換し、その命令列を実行する。我々は、この抽象機械を遅延ナローイング抽象機械(Abstract Lazy Narrowing Machine:以下、LNMと略す)と呼んでいる。我々の言語は、証明を実行の機構とするという意味では論理型言語であり、項の書き換えにより簡約を行なうという意味では関数型言語である。LNMは、Prologの抽象機械であるWAM(Warren Abstract Machine)に対して、関数型言語としての側面を実現する機能を付加したものと捉えることができる。本稿では、LNMの構成と命令セットを、WAMとの違いに重点をおいて説明する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-02-24