主記憶データベースにおけるトランスペアレントバックアップシステムとその性能評価

概要

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主記憶データベース(MMDB)は高性能データベースシステムを実現する有力な候補の1つである。データベースシステムは高性能であると共に高信頼性でなければならない。これまでの高信頼性システムではデータの更新は基本的にその都度ディスクに書き込んでいた。主記憶もディスクと同程度の信頼度が得られるなら、高信頼性MMDBシステムが構成できる。一般に主記憶はバッテリーバックアップによってディスク程度の信頼度が得られると考えられているが巌密には正しくない。本稿では、主記憶データは何らかの方法でディスクにバックアップする必要があるという仮定のもとで議論を進める。この場合ユーザにバックアップを意識させない方式が必要である。銀行のオンラインシステムでは、ホストコンピュータは軽微な障害に対して数分以内に回復する必要があるとされている。このような条件でMMDBを利用するには、出来るだけ短い間隔(例えば、5分おき)に主記憶にバックアップを行う必要がある。本稿ではこのような短周期バックアップを実現し、かつ、システムに及ぼす影響の少ない方式について述べる。全データを主記憶に常駐させるのはコストなどの点から現実的でない。一方、データのアクセスには80/20-ルールと言われる偏りがある。本稿では、良くアクセスされるデータを主記憶に常駐させ、そうでないデータは必要に応じてディスクから読み出す部分的MMDBについて検討する。また本稿のシステムでは、TPCベンチマークBを想定して、500tpsでデータベースのバックアップに2分半程度の時間しかかからないことを示す。
1992-02-24

主記憶データベースにおけるトランスペアレントバックアップシステムとその性能評価

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