記憶階層システムにおけるプリロードセット学習 : 制御方式とキャッシュ付きディスクサブシステムへの適用

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計算機システムの主たる2次記憶系であるデイスクサブシテムの高速化のために、近年、制御装置内に設けたディスクサブシステムの高速化のために、近年、制御装置内に設けたディスクキャッシュを利用した記憶階層化技術が注目されている。ディスクキャッシュ付き制御装置においては、キャッシュ内に格納したデータがCPUからアクセスされると(ヒット)、ディスク装置ヘの直接アクセスが必要なくなり、高速な入出力動作が可能となる。一般に、記憶階層システムを用い、高速化を実現するには、近い将来にアクセスされる確率の高いデータを下位層から上位層に、プリロードすることが重要である。しかし、これまで、実用化されてきたディスクキャッシュの基本的な管理体系は、トラック単位のLRU(Least Recentiy Used)管理であった。具体的には、CPUからアクセスされたデータがキャッシュ内に存在しない場合(ミス)、LRU管理にしたがってキャッシュ割当て単位(スロット)が決定され、アクセスされたデータを含むトラック上のデータ、あるいは、アクセスされたデータとそのトラック上の後のデータを、決定されたスロットにロードするというものである。LRU管理は、局所参照性の存在を前提にし、仮想記憶システムー般に用いられている管理体系である。しかし、データのアクセスには必ずしも、局所参照性は存在しないことが提言されている。例えば、以上のような管理体系では、アクセスパターンに局所性のないシステム(例えばランダムアクセス)にディスクキャッシュを適用すると、アクセスデータの周辺データのロード処理により、かえって性能が劣化するという問題があった。したがって、本講演では、あるデータがアクセスされた後、近い将来アクセスされる確率の高いデータのセットを学習し、それらのデータを上位記憶階層へのプリロードセットとするプリロードセット学習制御方式の提案と、キャッシュ付きディスクサブシステムへの適用について報告する。さらに、実サイトのアクセスパターンを用いた提案方式の評価結果を示す。
一般社団法人情報処理学会の論文
1991-02-25

記憶階層システムにおけるプリロードセット学習 : 制御方式とキャッシュ付きディスクサブシステムへの適用

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