関係データベースと分散ファイルシステム上に構築したオブジェクトサーバの概要とその応用

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近年、マルチメディア情報管理システムの様にさまざまな型を持つ複雑なデータ構造を取り扱う要求が増えてきている。従来の関係データベース(RDBMS)に代わって、オブジェクト指向データベース(OODBMS)がその一つの解になりつつある。OODBMSはRDBMSに比べて、特に細粒度のオブジェクトの巡行アクセスに関して非常に高い性能を持つが、OODBMSが一般に広く使われるには至っていない。我々は、これは次のような理由によると考える。(a)ほとんどのOODBMSがページサーバ方式を採用しており、大規模データベースに対する質問処理は必ずしも高速でない。(b)アプリケーション作成後に新たに追加された型(クラス)を使用できない。(c)新しいアプリケーションでも、RDBMSに格納されているデータ資産に対するアクセスが必要である。これらの問題に答えるため、我々はCOSMOSと呼ばれるプロジェクトにおいて、RDBMSと分散ファイルシステム(DFS)の上に次のような特徴を持つオブジェクト管理層を作った。1.ほとんどのOODBMSと同様、シームレスな永続C++言語インターフェイスを提供する。2.細粒度オブジェクトのクラスタリングにより、パフォーマンスを改善する。3.メソッドをCOSMOSのデータベースに格納し、必要に応じて実行時に結合する。4.オブジェクトの複製を複数サーバに配置することにより、応答時間の短縮と負荷分散を行なう。この論文では現在のCOSMOSの概要とクラスの動的結合について述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20

関係データベースと分散ファイルシステム上に構築したオブジェクトサーバの概要とその応用

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