トランスダクション法向けの回路の再利用について

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近年、半導体技術の進歩により、ワンチップの中に実現される回路は大規模となってきている。そのため、計算機による論理回路設計支援がますます重要となり、初期回路の生成や設計改良によるコストの低減等の論理回路の自動合成について、さまざまな角度から研究が行なわれている。そのような論理回路の自動合成システムの中で、トランスダクション法が、いろいろな分野で回路の最適化に強力な性能を発揮することが確認され、注目されるようになってきた。しかし、トランスダクション法では、扱う回路が大規模になると回路の設計には、計算時間や使用メモリ領域の点から見て限界がある場合が存在する。そのため、これまでに設計された既存の回路を用いて、新しい回路を設計する、回路の再利用に基づく設計手法を確立する必要があると考えられる。トランスダクション法は設計改良による論理回路最適化手法であるが、また、エラー補償という概念などを用いて回路の設計変更も行なうことができる。そのため、すでに設計した回路をデータベースとして蓄え、それらを再利用するには適していると考えられる。しかし、トランスダクション法の最適化を行なった後の回路は大域的な形状変換が行なわれるため、一般のCADデータベースのモデリングの概念の様に部分回路に分けた階層的な管理をするのは困難である。また、機能や名前で回路を管理していたのでは、自動合成システムの中で回路の再利用を行なうことは困難である。したがって、なんらかの形で論理回路の論理関数自身のデータの管理をすることが必要になってくると考えられる。本稿では、このような目的のための論理回路の論理関数のデータの蓄積方法および利用の仕方について考察する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1993-09-27

トランスダクション法向けの回路の再利用について

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