事例ベースによる板金部品の工程設計支援システム

概要

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機械設計は,設計対象に求められる機能と三次元形状の関係の知識を,明示的に記述するのが困難であるので,設計過程のモデル化が余り進んでいないことが指摘されている.一方,設計過程のモデル化という知識ベースでの問題の解明とは別に,実際の設計過程では,一般に過去の設計データを利用することにより,新規設計の際の作業量の軽減が可能であることが多い.本研究では,板金部品を対象として取り上げて,このような事例ベースによる加工工程の設計の支援を行うシステムを作成することを目的とした.板金部品を取り上げたのは,形状の分類がそれほど複雑にならず,従って,形状の特徴を比較的容易に記号化できるからである.また,工程設計を対象としたのは,設計の際に工程自身の技術的な大量のデータの他に,コスト,生産性などの財務的要因の複雑な情報を取り入れて,短時間に処理しなければならないので,熟練者に頼る部分が殆どで,設計に要する労力の負担が大きいという問題の解決を試みるためである.そこで,板金部品の工程設計の支援を行うためには,形状の特徴によって分類された部品の図面と共に,工程設計の詳細をデータベースとして蓄えておき,新規部品の設計の際に類似のデータを検索した上で,必要ならばその工程設計を手直しするという事例ベースシステムに基づくアプローチが極めて有効となる.
一般社団法人情報処理学会の論文
1990-03-14

事例ベースによる板金部品の工程設計支援システム

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