ビットマップ・グラフィックスプロセッサEDPU : (3)専用ハードウェアによる高速処理に関する評価

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EDPUはCRT表示装置に対する制御を行うと共に、カラー図形の描画及び矩形領域データの転送を高速に実現するプロセッサである。EDPUの特徴を示す基本コマンドとして次のものがある。・MV:矩形領域転送コマンド・TRANS:色コード比較矩形領域転送コマンドまたは色コード展開矩形領域転送コマンド・FLTRAP:台形フィルコマンド・LIN:直線描画コマンド・CRCL:円描画コマンド但し、以下本稿においては、便宜上TRANSを、色コード比較はTRANS-C、色コード展開はTRANS-Eとする。EDPUの設計目標の一つとして、これらの基本コマンドの最高速時における実行速度が、次の値となることを目指していた。・MV:2マシンサイクル/ワード・TRANS-C:5/4マシンサイクル/ワード・TRANS-E:5マシンサイクル/ワード・FLTRAP:1マシンサイクル/ワード・LIN:2マシンサイクル/画素・CRCL:2マシンサイクル/画素但し、ソース空間(転送元)、デスティネーション空間(転送先または描画先)は共にフレームメモリで、各空間は多値の場合4bit/画素(1画素を構成するbit数が4)、1ワードは32bit、1マシンサイクルは4クロックで、TRANS-C,Eについてはソース空間の1ワードに対する値である。これらの設計仕様を満たすため、次の専用ハードウェアを投入している。・データ転送のパイプライン機構(特に2次元アドレス発生の為の専用レジスタと加算器)・画像データ入力部に於ける色コード比較器(特に色コード比較レジスタとコンパレータ)・画像データ出力部における色コード展開器(特に前景色、背景色レジスタ及び展開回路)・DDA(ディジタル微分解析機)発生回路(2系統-直線専用、円・直線用)とそれに連動する2次元アドレス発生装置・32ビットのデータバス本稿では、これらの専用ハードウェアを投資することによって、上記の基本コマンドに対して1)設計目標の高速性が実現できたか2)前後処理や行間処理を含めた場合ではどうかについて、ソフトウェアシミュレータで行った評価結果に基づき報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1990-03-14

ビットマップ・グラフィックスプロセッサEDPU : (3)専用ハードウェアによる高速処理に関する評価

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