協調的ソフト設計用共有エディタの検討
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概要
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近年、ソフトウェア構造の大規模化・複数化にともない、ソフトウェア開発業務を複数プロジェクトで分散協調的に行なう開発形態が望まれている。この開発形態の変化にともない、扱うべき問題領域も広域化・多様化してきている。これらの問題のうち、本研究では特に分散協調開発における複数の設計者間の協調問題を取り上げた。この場合、設計者間の通信密度の低さが、協調者の意識の相違や共有すべき設計空間の不連続性を引き起こし、それが設計ミスや冗長的な通信などの協調設計作業の効率低下の要因になっていると考えられる。さらにこれは、従来設計者間の通信がソフトウェアコードやドキュメントなどの結果的成果物のみの伝達であったため、設計コンセプトや設計者の意図・目的・根拠などの設計空間にまつわる背景情報がうまく伝達されないことに原因があると考えた。そこで、設計背景情報を扱うArgu-ment Structure技術(以後ASと呼ぶ)を設計者間の通信に適用し、これまでの結果のみの形式的設計情報には含まれていなかった意味的設計情報の伝達を可能にすることにより、協調設計作業における通信密度を高め、設計品質を向上させる可能性のあることがわかってきた。そこで本報告では、AS適用による効果を協調設計空間上で実現するための構造共有エディタの機能モデルと、UNIX上での実装例について報告する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-03-01
著者
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