英日機械翻訳のための基本語辞書の拡張

概要

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NHKでは,1989年8月に衛星放送英語ニュースのテロップ(字幕)作製に機械翻訳を導入し,現在もその試用を続けている.この試用と並行して,翻訳率の向上を目指した,文法,インターフェース,ニュース固有表現局所解析,基本語辞書,オプション辞書の改良を続けている.本稿ではこの中の基本語辞書の改良について報告する.我々のシステムの辞書は,基本語辞書とオプション辞書の2部で構成されている.オプション辞書は,名詞を中心としたニュース専門用語を記述するための辞書である.また,日々新しい単語が出現するニュース文翻訳に即応するため,簡単な辞書記述のみで翻訳に使用できるようになっている.これに対して,基本語辞書はニュース文に限らない一般的な用語を記述するための辞書である.また,翻訳時に必要となる文型パターン,共起情報など,さまざまな情報を記述している.基本語辞書は,導入当時,約2万語の辞書エントリしかなく,翻訳率向上には,語彙の拡張が必要であった.一方,基本語辞書に記述されたさまざまな訳語を,適切に選択する戦略も必要となり,意味マーカーを利用した訳語選択の研究を開始した.以下具体的に我々のこれまでの研究について報告する.
1990-09-04