制約式の伝播によるオブジェクト指向計算モデル

概要

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近年、知識工学、ユーザインタフェース、シミュレーション、データベース等の分野で、オブジェクト指向への制約の導入が図られている。制約の導入によりオブジェクト間や属性間の関係を宣言的に記述できるという利点がある。しかし、従来手続き的プログラミングの視点でとらえられてきたオブジェクト指向の枠組みに、単純に制約を導入しただけでは両者の概念がうまく融合しない。例えば、従来のオブジェクト指向言語ではオブジェクトの動作がメソッドという手続き的表現により記述され、メッセージ・パッシングはメソッドの起動という手続き的な意味を持つが、これらを宣言的プログラミングの枠組みでとらえ直す必要がある。本研究は知識処理への応用を目的に、制約の導入により、宣言的プログラミングとしてのオブジェクト指向を確立することを目指している。本報告では、オブジェクトをデータと制約のまとまりと見なし、制約充足機能を有するオブジェクト間で制約式を伝播することにより問題解決を行う計算モデルを提案する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1989-10-16