ネット上の仮想組織における表示環境の多様性を考慮したアウェアネス支援

概要

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インターネットにおけるメーリングリストやネットニュースは,単なる情報交換の場ではなく,地理的および時間的に分散した仮想的な組織におけるコミュニケーションの基盤となっている.しかしながら,従来のネット上のコミュニケーションシステムは,比較的均一な利用者の集合が明示的なメディアメッセージの交換を行う場合を主な対象としており,明確な情報共有のモデルを持たないか,WYSIWIS(What You See Is What I See)原則に基づいたものがほとんどである.本稿では,ネット上の仮想組織における,多様な利用者の柔軟なコミュニケーションを支援するために,代理オブジェクトを応用した表示共有のモデルと,それに基づいたアウェアネス支援について議論する.多様な利用者は,それぞれ自分の好みの方法で情報を表示する要求を持っている.このため,異なる表示環境に属す利用者同士が,互いにどの表示環境の下にいるか自然に把握すること(表示環境アウェアネス)が必要である.利用者自身を表現する利用者オブジェクトを,表示環境に基づいて,異なる代理オブジェクトとして視覚化することで,表示環境アウェアネスを支援する.
1995-09-20