ベクトル計算機による主記憶データベースの実現

概要

論文の詳細を見る
近年のメモリ素子の低価格化にともない計算機の主記憶容量は大容量化する傾向にあり、ギガバイトオーダーの主記憶容量を持つ計算機も開発されるようになってきている。したがって、すべてのデータを主記憶上の置く主記憶データベースも近い将来実現可能になると考えられる。主記憶データベースでは、質問処理の際にディスクなどの二次記憶に頻繁にアクセスすることはないので、主記憶データベースの質問処理の所要時間は通常のディスクベースのデータベースの質問処理の所要時間に比べて、かなり減少することが期待できる。そしてその場合には、質問処理の処理時間はCPUの計算時間でほぼ決ることになる。一方で、近年の大規模数値計算の必要性に応えるべくスーパコンピュータとしてベクトル計算機が開発され、様々な分野の数値計算に利用されている。ベクトル計算機はベクトルデータに対する演算をパイプライン演算器で高速に実行することによって高い最大性能を実現しており、大規模数値計算において大量データを扱う必要から大容量の主記憶も備えている。したがって、ベクトル計算機上に主記憶データベースを構築することは主記憶容量の点からは十分可能であり、もしその高い演算性能を十分に引き出すことができればそれは非常に高性能なデータベースシステムになると考えられる。そこで、本研究ではベクトル計算機上に主記憶データベースのプロトタイプを実現し、ベクトル計算機上の主記憶データベースが高性能なデータベースシステムとなりうることを実証することを考える。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-02-24

ベクトル計算機による主記憶データベースの実現

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク