マルチグレイン並列処理におけるデータローカライゼーションのための近細粒度タスクスケジューリング

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マルチプロセッサシステム上でのFortranプログラムの並列処理手法として,粗粒度並列処理(マクロデータフロー処理),中粒度並列処理(ループ並列化),近細粒度並列処理を階層的に組み合わせたマルチグレイン並列処理が提案されている.従来のマルチグレイン並列処理では,マクロタスク(粗粒度タスク)間で共有されるデータを集中型共有メモリ上に置き、マクロタスク間のデータ授受も集中型共有メモリを介して行なう方法がとられていた.しかし,このような方式では,集中型共有メモリを介したデータ転送オーバヘッドが大きくなるという問題が生じる.この問題点を解決するためには,プロセッサ内のローカルメモリを利用したマクロタスク間データ授受が重要となる.ローカルメモリの有効利用に関しては,単一ループを対象としたArray Privatization法や,複数ループ間でPE間通信の最小化を目指した静的なデータ分割・配置法が提案されている.しかし,これらの方法は,中粒度並列処理のみを対象としているため,実行時に処理とデータを動的に配置し複数粒度で並列処理を行なうマルチグレイン並列処理には適用できない.一方,マクロデータフロー処理においては,ローカルメモリ経由でマクロタスク間データ授受を行う方法(データローカライゼーション手法が提案されている.しかし,この方法ではマクロタスク内部を複数プロセッサ上で並列処理するマルチグレイン並列処理に適用するMT間で一部のデータしかローカルメモリを介して授受できないという問題点があった.本稿では,このような問題点を解決するために,マクロタスク間データ転送を考慮した近細粒度タスクスケジューリング手法を提案する.
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-03-15

マルチグレイン並列処理におけるデータローカライゼーションのための近細粒度タスクスケジューリング

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