Ada並列プログラムのためのグラフィック表示を用いた実行再演ツール

概要

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プログラミング言語Adaは,実時間処理プログラミングに適用できる並列言語である.Adaは,タスクと呼ばれる並列処理単位が,様々な形で通信(ランデブー)を行う.また,タスクは実行的に割り付けられ,それらの間には,特殊な依存関係が存在する.我々は,Adaプログラムの実行中における,タスクのこれらの振舞いをモニタするために,事象駆動型実行モニタEDENを開発した.EDENの開発にあたっては以下のような基本的方針を設定した.・Adaプログラムの並列事象にのみ注目する.・支援環境の要求仕様にしたがって,Adaのソースコードレベルで実現する.・プログラムの動作に対するモニタリングの影響を小さくするために,実行中に起こる事象の間に成り立つ半順序を保存する.EDENの影響を大別すると,次のようになる.・ある瞬間のタスクの振舞いを報告する.・プログラム実行中のタスク振舞い(タスキング振舞い)の履歴を報告,保存する.・タスク間の通信デッドロックを検出する.EDENはこれらの機能により,様々な情報をユーザに提供することができる.Adaプログラムのテスト・バッグを行う際には,EDENが提供する情報に基づいて,プログラムのタスキング振舞いを解析する事が必要である.しかし,履歴情報はテキストの形で提供され,更にその量が莫大なため,読みにくく,また理解しにくい.今回,実現したAdaプログラム実行再演ツールは,EDENが提供する履歴情報を利用して,プログラム実行中のタスクの振舞いをグラフィック表示を用いて視覚的に理解しやすく再現するツールである.本稿では,このツールの概要を紹介し,その有用性を示す.
一般社団法人情報処理学会の論文
1988-09-12

Ada並列プログラムのためのグラフィック表示を用いた実行再演ツール

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