酵母の酸素吸収におよぼすアリル芥子油の分解生成物および関連化合物の影響

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アリル芥子油水溶液の密閉貯蔵によりえられた分解生成物およびアリル芥子油の関連化合物の添加による酵素吸収の影響について, 前報と同様, ワールブルグ検圧計を用いて実験した.酵母にはCandida krusei, Candida utilisおよびSaccharomyces cerevisiaeの3種を用いた.分解生成物の中では, 1)アリルアミン, 2)N, N'-ジアリルチオ尿素, 3)アリルアリルジチオカルバメート, 4)アリルメルカプタン, 5)ジアリルジスルフィド, 6)ジアリルトリスルフィドの6種を用いた.また, 関連化合物の中では, 7)アリルシアナイド, 8)アリルチオ尿素, 9)アリルスルフィド, 10)メチルN-アリルチオノカルバメート, 11)エチルN-アリルチオノカルバメート, 12)アリルチオシアネートの6種を用い, 別に13)アリル芥子油を対照物質とし, 計13種を用いた.これらのうち1,4,7,9および13の5種は市販品を減圧下に再蒸留し, 他の8種は既知の合成法により得た.供試化合物のうち, ジアリルジスルフィドおよびトリスルフィドの2種は用いた3種の酵母の酸素吸収に対して, もっとも効果的な阻害剤で, 最終濃度, 1〜2mMにおいて, アリル芥子油とほぼ同程度の阻害率を示した.12の添加は影響なかったが, 他の化合物は2〜20mMにおいて阻害性を示した.C. kruseiにおける阻害順序は3>1>11>7>10>9>4>2>8であった.チトクロムCオキシダーゼ活性もまた, 最終濃度, 2mMの上記2種のスルフィドの添加により, 完全阻害された.1,4及び12を除くほかの化合物は2〜20mMにおいて酵素吸収阻害の場合と同様に阻害性を示した.阻害順序は10>3>11>9>8>2>7であった.
1973-04-25

酵母の酸素吸収におよぼすアリル芥子油の分解生成物および関連化合物の影響

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