フルフリールアルコールによって誘導されるCephalosporium sp.のAlcohol Dehydrogenase : (第2報)基質特異性
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概要
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前報においてCephalosporium sp.のalcohol dehydrogenaseを電気泳動的に均一にまで精製し, その若干の性質を報告した.前報の精製酵素標品を用いて, 12種のアルコール, 12種のアルデヒドに対する作用活性を調べた.まず酵素標品を30〜60℃の温度で10分間処理し, 残存活性を2つの方法(フルフラール-NADH, エタノール-NAD^+)を用いて測定したところ両活性は全く同一の残存率を示した(Fig. 1)ので, この2つの活性が同じ酵素蛋白に由来するものと考えた.12種類のアルコールに対する作用活性をTable 1に示す.活性の順序はiso-propyl>allyl>n-butyl>ethyl>n-propyl, n-amyl>furfuryl>n-hexyl>iso-amyl alcoholの順であり, tert-butyl, methylおよびbenzyl alcoholには作用しなかった.アルデヒドに対する活性はacetaldehyde>furfural>n-butylaldehyde>glyceroaldehyde, benzaldehyde, m-nitrobenzaldehyde, chloral hydrateの順であった.formaldehydeとp-hydroxybenzaldehydeには作用しなかった.フルフリールアルコールを基質としたときのNADの代りにNADPを用いると反応は起らなかった.酵母のalcohol dehydrogenaseはn-アルコール系ではethanolに最もよく作用し, 炭素鎖長が長くなるにつれて活性が増大するがhorse liverのalcohol dehydrogenaseはn-buthyl alcoholに最もよく作用するのでむしろhorse liverの酵素に類似する.しかしglyoxalやiso-propyl alcoholにもよく作用する点ではhoese liverのものと異なっていた.
- 社団法人日本生物工学会の論文
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