炭化水素醗酵の生物化学工学的研究 : (第2報)炭化水素資化性酵母の酸素要求性
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概要
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種々な炭化水素資化性酵母の酸素要求性について, 基質を n-hexadecane およびグルコースとして比較検討した.土壌より分離された Candida petrophilum がもっとも高い酸素要求性を示し, 発育の最適条件において, 10mMol-O_2/g-cell-hr の値をえた.この値は15〜20g/lの菌濃度で連続培養を行なうとき150〜200mMol-O_2/l-hrの酸素を培養系に供給しなければならないことを示しており, Finn のまとめた糖質を基質とする培養系の酸素要求量の約10倍に相当する.グルコース, n-hexadecane, n-decane などの基質で発育した C-petrophilum を種々な炭素数の n-paraffin 培地に置換し, その後の酸素摂取速度を観察したところ, 本菌の炭化水素酸化系は constitutive に形成されていることが認められた.また炭化水素の炭素数に対する基質特異性は認められず, ただ酸化の活性が変化していた.さらに酵母による, 炭化水素培養系とグルコース培養系との比較を振盪培養により行なった.炭化水素培養系では非常に高い酸素要求性を示し, 通常の振盪条件では完全に酸素欠乏であることが認められた.また100gの酵母菌体を生成するために, 炭化水素培地では194gの分子状酸素を必要とした.これにたいしてグルコース培地ではわずか68gの酸素消費にとどまった.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1971-03-25
著者
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