微生物によるL-チロシンからのL-3,4-ジヒドロキシファニルアラニンの生産
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1.L-チロシンからのL-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(L-dopa)の生成を触媒する活性がAspergillus oryzaeの菌株に強く, 酸性の反応条件下で生菌糸によるL-dopaの生成が優先的に起こることを見出したので, この方法によるL-チロシンからのL-dopaの生成を試みた.2.真菌類の微生物のうち, L-dopa生成活性的なAsp. oryzaeあるいはAsp. flavusに属する菌株に特異的に強かった.3.L-dopa生成活性の作用域はpH2〜5にあり, 至適pHは3〜4であった.pH5以上では全くあるいはほとんど活性が認められず, 従来tyrosinaseのとは作用pHの点で異なっている.4.生成したL-dopaの分解がL-アスコルビン酸の添加により抑えられ, L-チロシンはほとんどすべてL-dopaに転換した.5.菌糸の培養において, L-dopa生成活性は生育停止後に起こり, 関係する酵素の優先合成が示唆された.活性発現のグルコースによる抑制と酵素供給による促進が見かけ上認められた.6.上記の結果にもとずき, Asp. oryzaeの生菌糸によるL-チロシンからのL-dopa生成条件を確立した.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1973-06-25
著者
関連論文
- 微生物によるL-チロシンからのL-3,4-ジヒドロキシファニルアラニンの生産
- 170 微生物によるチロシンの代謝(第一報) : L-チロシンからのL-dopaの生成について
- 154 微生物によるトリプトファン関連物質の代謝
- 炭化水素醗酵の生物化学工学的研究 : (第3報)エマルジョン化現象の解析
- 酵母によるシチジン-5'-リン酸 (CMP) より, シチジン-5'-三リン酸 (CTP) の生成
- Candida petrophilum の菌体成分に対する炭素源の影響
- 407. 炭化水素醗酵の生物化学工学的研究 : (第3報) 炭化水素醗酵におけるエマルジョン化現象の解析
- 炭化水素醗酵の生物化学工学的研究 : (第2報)炭化水素資化性酵母の酸素要求性
- 炭化水素醗酵の生物化学工学的研究 : (第5報)炭化水素資化性酵母の対酸素挙動の解析
- 炭化水素醗酵の生物化学工学的研究 : (第4報)酵母培養系に対する溶存酸素の影響
- 235 炭化水素醗酵の生物化学工学的研究(第6報) : 炭化水素資化性酵母の対酸素挙動の解析
- L-チロシンの3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニンへの転換を触媒するAspergillus oryzaeの酵素の活性化