L-チロシンの3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニンへの転換を触媒するAspergillus oryzaeの酵素の活性化
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概要
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1. L-チロシンから3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン( L-ドーパ)への転換を触媒し, 同時にチロシナーゼ(tyrosinase)活性を有する酵素をAspergillus oryzae No. 15043株の菌体より抽出した。L-チロシンからのL-ドーパの生成はチロシナーゼまたはチロシナーゼ様の酵素により触媒されると推定した。2. L-チロシンのL-ドーパへの転換を触媒し同時にチロシナーゼ活性を有する酵素はpHを酸性にする事により活性化される事を見出した。3. 両酵素活性の活性化はpH2〜5の酸性領域で起った。このpH領域は非活性化酵素の作用pH域と類似であった。4. 非活性化酵素の至適pHは3.5附近であったが, 活性化酵素の至適pHは6.0に移動した。活性化酵素のpH6.0における活性は非活性化酵素のpH3.5における活性の2〜5倍であった。5. 酸処理によって活性化された酵素は保存中も安定であり, 活性化が不可逆的に起る事を示唆した。活性化は0℃におけても速かに起り, 20℃では幾分早められた。6. この酵素は元々菌体内では非活性な型で存在し, 酸処理により活性型に転換されるものと推定した。
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1974-02-25
著者
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