冷温帯林構成樹種20種の葉の水分特性
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概要
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日林誌84:271〜275,2002 京都大学芦生演習林に生育する主要樹種20種についてP-V曲線法などを用いて葉の水分特性を調べた。乾性種のコミネカエデ,クロソヨゴ,ナナカマドおよびマルバマンサクは,初発原形質分離点の水ポテンシャル(φW_<up>)が-l.SMPa以下,十分吸水したときの浸透ポテンシャル(φS_<sat>)が-0.7MPa以下の低い値を示した。一方,湿性種,弱湿性種,弱乾性種のミズキ,イヌシデ,ミズメおよびアカシデは,φW_<up>が-1.4MPa以上,φS_<sat>が-0.6MPa以上と高い値を示した。また,クロソヨゴおよびマルバマンサクは,厚くて飽水時の水分量の多い葉を持ち,シデ属およびカエデ属は薄くて飽水時の水分量の少ない葉を持つ傾向がみられた。このことから,乾性種は共通して乾燥に適応した水分生理特性を持つが,湿性種,弱湿性種および弱乾性種については共通した水分生理特性は認められなかった。ただし,これらに区分されるシデ属やカエデ属などは,生育環境に関わらず,それぞれの属に共通する水分生理特性を持つようであった。
- 日本森林学会の論文
- 2002-11-16
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