航空機MSSデータによる樹木ストレスのアセスメント

概要

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リモートセンシングデータを用いた環境調査法の研究として, 交通量の多い道路沿いの林木の大気汚染被害の検出を試みた。ストレスによる林木の生理的変化は分光反射特性曲線の標準的パターからの偏異に現れることから, 樹木の被害度の推定は大気中における汚染物質量と被害度別樹葉の近赤外線反射レベルの相関性に基づいた。樹葉の分光測定は航空機MSSにより地上高1000mから, また同時に汚染物質の定量的解析を地上測定に基づいて行った。最初にMSSデータの電磁的補正ならびに幾何学的補正を施し, 林相区分は分光特性のパターン認識により, 樹木ストレスは被害度に対応する近赤外のレベルによって判別した。このような順序と手法により, 分類結果は各樹種別活性度に応じたものとなった。判別精度の検証は, 地上測定による大気中の硫黄酸化物, 窒素酸化物, 樹葉の分光反射率, 樹葉の全硫黄含有量, 葉面付着物量と分類結果の相関分析によった。MSSデータと各測定項目別データ相互間には高い相関関係が認められ, 林木のストレス状態の現状とよく符合する結果となった。
日本森林学会の論文
1988-02-01