京都における大気汚染と樹木の活力度との関係(林学部門)
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概要
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最近, 環境悪化にともない市街地の樹木の衰退が目立っている。本研究は, この樹木の衰退を早期にしかも的確に判定しうる手法を考究し, さらに大気汚染等環境悪化に敏感に反応し, 指標植物として用いることのできる樹種について検討した。その結果以下のことが認められた。すなわち1)健全な樹木の葉ほど赤外線領域での分光反射率は高い傾向にある。2)環境汚染(二酸化硫黄)濃度とその地点に生育する植物の葉の分光反射率(赤外線領域)との間には, 負の相関関係が認められた。3)葉中の全硫黄量の価が大きいほどその地点の環境汚染(二酸化硫黄)濃度は高い傾向にある。4)葉中のクロロフィル量, C・N量などと環境汚染濃度との関係は一部で認められたが追究を要する。5)カエデ葉, クロマツおよびヒマラヤシーダーの当年生針葉は, 環境悪化に敏感に反応し, 指標植物として適している。特にカエデ葉が, 今回の測定法では, 最も活力を判定しやすい樹種と推定された。
- 京都府立大学の論文
- 1976-11-30
著者
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