アカマツ林の重量生長に関する基礎的研究 (I)(林学部門)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は林木の生長論的立場からアカマツ林の重量およびセルロース生産量の経時変化の過程を明らかにしようとしたものである。これは森林経営の基礎としての林木の生長法則を解明するための一環として, 林分の重量生産量ならびにセルロース生産量の査定とその経時変化としての生長過程の共通的法則性を見出すことに主たる目的がある。この研究での重量による生長過程の解明には総乾物量と樹体の形成に直接的に関与する細胞膜の骨格特質であるセルロースを採りあげた。すなわち, 容積密度数の樹幹内変動の基礎的バターンやその生長過程に影響をもつ抽出成分およびリグニン等を除去したホロセルロースならびにαセルロースを総乾物量と対比させて追跡することによって, いわば材質の総合的な指標としての容積密度数と樹木の純然たる生長の度合を示す単位容積当りのセルロース含有量の経時的変化のパターンから重量生長の過程を解明しようとしたものである。さらに林分の生長過程を考える場合, 林分を構成する各個樹の経時的変化量を考えるだけでなく構成メンバーの変化もとらえなければならない。このような林分構成の変化の過程を正しくとらえるために, 材積の場合と同様に重量によるそれぞれの収穫表を調製し, これらの収穫表に基づいて生長過程の解明を行なった。したがって, この方法によって研究を進めるためには木材の材質特性や林木の成熟現象あるいは単木ないしは林木についての重量測定および生長過程の推定等の前提課題の解明が必要であった。とくに測定方法んんらびに現存量の推定等に関する技術的諸問題は本研究の主目的達成に至る基礎的課題として重要視した。
- 京都府立大学の論文
- 1974-10-31
著者
関連論文
- 白山ブナ林の構造(林学部門)
- 天の橋立公園のマツ並木の環境調査 (1) : 土壌および地下水について(林学部門)
- ランドサット MSS データによる山腹植栽工林地の植生回復診断(林学部門)
- 山腹植栽工によって成立した植物群落における遷移に関する研究 I : 牛伏川流域のニセアカシア林での事例(林学部門)
- 1996年モンゴル人民共和国森林火災の衛星リモートセンシング
- JERS-1/SARデータによるマングローブ林バイオマスの推定
- リモートセンシングデータによる林分構造の解析(3) -JES-1/SARデータによるマングローブ林への適用-
- 京都における大気汚染と樹木の活力度との関係 (IV) (林学部門)
- NOAA/AVHRRデータによる中国大興安嶺森林大火災跡地の植生の回復診断
- 航空機MSSデータによる樹木ストレスのアセスメント
- 大気の汚染が林木に及ぼす影響について (I)(林学部門)
- 京都における大気汚染と樹木の活力度との関係 (III) (林学部門)
- (財)日本科学協会主催の「青少年-科学の体験」へのR/S解析パネルの展示報告
- MSS データによる林相区分の適用性 (3) : LANDSAT・MSS データによる京都市周辺林地の林相区分(林学部門)
- ディジタル処理による森林のリモートセンシング(林学部門)
- アカマツ林の重量生長に関する基礎的研究 (II)(林学部門)
- アカマツ林の重量生長に関する基礎的研究 (I)(林学部門)
- アカマツ林におけるセルロースの生産に関する研究 (V) : 単木におけるセルロースの標準含有量および総含有量について(林学部門)
- 多時期衛星データによる緑地環境特性の変化の抽出(緑地)