ヒノキ苗群落の生長解析(II) : 一次生産
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概要
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岐阜営林署緑ケ丘種苗事業所(岐阜県美濃加茂市)内の苗畑に生育する2年生ヒノキ苗群落の物質生産について, 1981年10月から翌年の10月まで月1回の割合で実験した。積み上げ法によって推定された総生産速度は冬期において減少し, 春期に一定値を維持し, その後, 増加する傾向にあった。総生産速度/葉量比で定義され, 葉の総生産能率を示す比総生産速度は, 3月下旬から5月下旬と5月下旬から10月中旬にかけて, それぞれ一定値を示した。前期間は葉の展開開始時にあった。比総生産速度は温度とともに増加し, ほぼ20℃以上では一定となった。年総生産量は3.08kg(dry matter)m^<-2>yr^<-1>となり, その37.7%が純生産量に, 62.3%が呼吸消費量に配分されていた。また, 葉の現存量の増加量は純生産量の44.8%を占めていた。葉の年平均純生産能率は, 既報のヒノキ人工林の資料と比較して高い値を示した。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1986-04-25
著者
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萩原 秋男
名古屋大学農学部
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萩原 秋男
琉球大学
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穂積 和夫
名古屋大学農学部
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小川 一治
名古屋大学農学部
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穂積 和夫
Department of Forestry, Faculty of Agriculture, Nagoya University
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