ヒノキ人工林の葉群呼吸量の推定とその季節変化
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概要
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名古屋大学農学部付属稲武演習林で植栽されているヒノキ17年生人工林(1973年現在)の葉群呼吸特性に関して, 1973年8月から1976年7月まで各月ごとに研究した。葉の呼吸速度は葉層内で一定ではなく, 葉層内での光の減少に伴って規則的に変化していた。この規則性を考慮して, 葉群呼吸量を推定した。葉群呼吸量は7月に最高値を, 1月に最低値を示した。年葉群呼吸量は19.8ton(dry matter)・ha^<-1>・yr^<-1>と推定された。葉群呼吸量の総生産量に対する割合は38.7%であった。年剰余生産量は31.4ton(dry matter)・ha^<-1>・yr^<-1>, そのエネルギー効率は年総太陽放射量(1,037.2×10^<10>cal・ha^<-1>・yr^<-1>)の1.3%であった。各月の日葉群呼吸量とその月の平均気温との間にはかなりの相関が認められた。葉群呼吸量の活性化エネルギーは4月から10月の高温月では9.0kcal・mol^<-1>, 11月から3月の低温月では17.8kcal・mol^<-1>であった。また葉群呼吸量の温度係数は高温月で1.7,低温月で3.2と推定された。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1977-11-25
著者
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