運材車両の補修と林道路面の良否との関係

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林道路面の良否は, 筆者(岩川)によれば, 走行条件を一定とするとき, 走行中の車両に生ずる振動加速度α・gの大きさを尺度として求めることができる。その場合, 加速度値が大きい林道(車両に対し, より大きな振動を生じせしめる林道)ほど悪路とみなすのである。ところで運材車両の補修費(損耗)の増加傾向は, 上述の振動加速度値を考える場合, その値の大きい林道ほど, 早く大きくなることが推定され, また同時にそれは, その車両が輸送した総仕事量(t・km)の大小とも深い関係をもつものと考えられる。本論はこれらの問題を実験的に論じたものであるが, まずこの目的のため, ここでは(1)車両の輸送仕事量x(輸送量×走行km), (2)それに対応する補修費R, (3)車両走行路面での, 車両における上下方向振動加速度値α・gを, 本論を進めるための主因子として考えることにより, つぎの諸点を明らかにすることができた。(1)車両の全補修費は輸送仕事量xの増加とともに増大していくが, その変化は車両の通常走行路面における車両振動の大きさ, ここでは振動加速度値α・gの大きさに対応して大きくなり, 走行路面の良否と密接な関係があることがわかった。(2)また車両の補修費は, 走行路面における振動加速度のある関数として表わすことが可能であり, 次式が成立することを見出した。R=K・x^b・g^n(1)ただし, R : 補修費(10^4円)x : 輸送仕事量(10^7t・km)g : 重力加速度K, b, n : 定数(b>1,n>1)さらにxの値がきわめて小さい範囲を除けば, (1)式はつぎのように取扱うことができる。R=K・x・g^n(2)すなわち, Rは輸送仕事量と振動加速度値との積で表わすことができる。
一般社団法人日本森林学会の論文
1969-11-25

運材車両の補修と林道路面の良否との関係

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