運材車両の車輪による最大接地圧の推定に関する研究
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概要
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本稿は林道への舗装の導入を目的とし, その基礎的な研究として取りまとめたものである。路面の舗装を前提とする場合, 車両交通とくに, それが動荷重のとき路面がどれくらいの単位荷重(接地圧)をうけるか, その上限を推定しておくことは, 舗装の方法, 材料の選択などのためにもきわめて重要なことである。筆者らは, 本稿でのべる車両の走行諸条件を基にして, 路面および, その内部が車両の走行によってうける最大接地圧(垂直方向の最大土圧, kg/cm^2)の推定と, その方法についての研究をすすめてきた。その結果, つぎのことが判明した。(1)運材車両の通行により, 車輪が路面に対して動荷重として作用する場合でも, その最大接地圧は, 車両の走行速度(少なくとも, 0〜40km/hrの範囲で)とほとんど関係なく相関関係が認められない。(図-4)(2)路表面下の深さdが大きくなると, その場所でうける最大単位荷重は, 動荷重の場合でも次第に減少し, 一般の土圧分布曲線(べル形)に近いものがえられた。(図-5)(3)車両が総重量の点から, 空車あるいは実車であるかにより, 前・後輪側でみられる最大接地圧の関係はそれぞれ逆関係となり, 実車の場合後輪側で最大値がみられる。(図-6)(4)車輪により路面に伝えられる接地圧の大きさは路面勾配(0〜10%)にほとんど関係しない。したがって, 運材車両がその通行により林道路面に加える最大接地圧の推定には, 貨物満載の車両を平坦地に静止させ, その後輪側で測定することにより, 十分その目的が達せられることが導けた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1967-09-25
著者
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