人工林立木を対象とした生枝の強度の簡便な非破壊的現地測定法
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概要
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スギおよびヒノキの生枝の弾性係数(曲げ弾性係数)を、簡便な非破壊的方法により現地測定することを試みた。この方法の骨子は、枝の中ほどに選んだ荷重点に鉛直荷重を順次加えるとともに、各荷重時の荷重点の鉛直変位を計測し、これらの値に梁のたわみの式を適用して弾性係数を算出するものである。枝は荷重点から基部までの間は円錐形状をなすと仮定した。現地測定による弾性係数E_fの値はスギで1.73〜2.86GPa、ヒノキで1.39〜3.87GPaの範囲にあった。現地測定の対象とした生枝は測定後切り取って実験室に持ち帰り、材料試験機で再度弾性係数E_<app>を測定してE_fと比較した。E_fはE_<app>よりやや大きな値を示し、平均でスギの場合1.5倍、ヒノキの場合1.3倍であった。実験室での測定は枝の一部しか対象にできないが、現地測定法によれば枝の強度を全体として測定できる利点がある。生抜の強度は、風害、雪害など力学的な自然負荷に対する立木の抵抗力の一指標であるとともに、かかり木や全木材の摺動抵抗など伐出作業時の枝の動きを解析するためにも必要である。
- 日本森林学会の論文
- 1994-07-01
著者
-
北川 勝弘
名古屋大学農学国際教育協力研究センター
-
近藤 稔
名古屋大学大学院生命農学研究科
-
近藤 稔
名古屋大 農
-
オンウォナ アジマン
名古屋大学農学部
-
森岡 昇
名古屋大学農学部
-
北川 勝弘
名古屋大農
-
北川 勝弘
名古屋大学農学国際教育協力センター
-
北川 勝弘
名古屋大学
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