林道開設計画における森林所有者の合意形成過程の現状と課題
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概要
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我が国の主要な林業地域のうちから,中部日本の主要林業地域10ヶ所に含まれる46市町村を対象として,民有林林内道路開設計画の策定過程と山林所有者間の合意形成に関する実態をアンケート調査し,その現状と課題を分析した。調査結果から以下の諸点が明らかとなった。(1)多くの市町村の林業担当者が路網不足を感じており,路網整備の必要性を強く認識している。(2)各市町村とも共通して,所有者間の複雑な利害関係や価値観の相違のために路線開設に関する合意形成が非常に困難なものとなっている。(3)特に,合意形成を困難にする主な要因として,受益者負担金の存在や用地・支障木に対する補償が無いことが挙げられる。(4)事業主体である市町村の合意形成の場への参加度合いは高いとはいえず,地元への依存傾向にある。また,山林所有者に対する林道の必要性に関する広報等の活動は少なく,情報提供の不足という点が現行の合意形成システムの問題点として指摘された。
- 1999-08-15
著者
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