エゾマツ・トドマツ・シナノキ・イタヤカエデ混交林における林木と樹冠の空間配置
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概要
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パッチ構造の異なるエゾマツ・トドマツ・シナノキ・イタヤカエデ混交林で、樹種間・階層間の分布の重なりパターンを、根元位置と樹冠で比較した。根元位置は、枠サイズを小さくするほど各樹種の独立性が強まり、2.5m×2.5mの枠サイズではシナノキ、イタヤカエデ、針葉樹群が生育地を異にしている傾向が認められた。林分のパッチ構造は、それぞれの樹種(群)が優占する生育地の広がりぐあいに依存しているようであった。シナノキの根元位置は、10.Om×10.Omの枠サイズでも他樹種と共存しない傾向を示していた。樹冠の重なりに見られるパターンの大部分は、根元位置の分布を反映したものであった。しかし、シナノキの根元位置は他樹種に排他性を示していたにもかかわらず、その上層木(18.Om以上)の樹冠下には、トドマツ中層木(c.4.0〜17.9m)がイタヤカエデ樹冠下より高い頻度で成立していた。シナノキ上層木の枝下高が高いことがこれの重要な一因と考えられ、中・下層木の分布に影響をおよぼす上層木の枝下高の重要性を強調した。
- 1989-04-01
著者
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