ミズナラ天然林の種子の生産・落下・発芽(予報)
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概要
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ミズナラ林の天然更新の研究の一環として, 種子の生産・落下・発芽を日光市に近い国有林内のA・B2林分で1972年と1973年の2年にわたって調べた。1972年の落下量は林分A17個/m^2,林分B28個/m^2で, 1973年は林分A14個/m^2,林分B1個/m^2であった。落下種子中にはシギゾウムシなどの幼虫がはいっていたので, 1973年の林分Aについて幼虫のはいる前の乾重を健全な種子の長さと重さの関係から推定すると7.16g/m^2となった。またかく斗の落下数から樹上で生産された種子量は乾重で9.34g/m^2と推定された。発芽率は軽い種子ほど低く, 種子の重さが増すにつれて高くなった。また種子中の幼虫が胚さえおかさなければ種子は発芽すると考えられた。1973年の林分Aの種子の生産量・落下量・発芽能力をもつ種子量はそれぞれ個数では19個/m^2・14個/m^2・4個/m^2となり, 乾重では9.34g/m^2・7.16g/m^2・2.93g/m^2となった。
- 日本森林学会の論文
- 1975-07-25
著者
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