LIR : COINSプロジェクトの低水準中間言語
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概要
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本発表ではCOINSプロジェクトの低水準中間言語LIRの特徴的な部分を説明する.中間言語LIRの目的はGCCのRTLと同様であり,また設計も似ている.一方でLIRはRTLにはない以下のような特徴を持つ.まず関数,ブロック,モジュールという,通常の低水準中間言語には見られない高水準の構造を導入することにより,最適化からコード生成に至るパスをあるモデルの上でのプログラム変換としてとらえることを可能とした.またLIRのドキュメンテーションでは表示的意味論でLIRの意味を記述した.これにより先のモデルが厳密に定義され,またポータブルで信頼性の高い処理系が実現可能となる.LIRはRTL同様揮発性オブジェクトの表現を持つが,我々はその意味も厳密に定義しているので,揮発性オブジェクトへの誤った最適化を禁止できる.実行中のプログラムは揮発性変数をチャネルとしたプロセスと見なせる.この考えにより揮発性オブジェクトのもう1つの,そしてより自然な意味付けができるが,一方でそれは大雑把であり実用的ではない.しかし,揮発性オブジェクトに対するこれら2つの意味は等価であることが示せるので,我々の意味定義は妥当なものといえる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2003-02-15
著者
-
藤波 順久
(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント
-
藤波 順久
ソニー株式会社
-
中田 育男
法政大学情報科学部コンピュータ科学科
-
萩谷 昌己
東京大学
-
萩谷 昌己
京都大学数理解析研究所
-
阿部 正佳
東京大学情報理工学系研究科
-
中田 育男
法政大学情報科学部
-
中田 育男
法政大学情報科学研究科
-
萩谷 昌巳
東京大学情報理工学系研究科
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