マルチスレッド化された目的コードを生成するLOTOSコンパイラの実現 (<特集>マルチメディア分散・協調コンピューティング)

概要

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本稿では, 任意の動作式間の選択, 並列, 同期および割込などが指定された広いクラスのLOTOS動作式を, 汎用的なマルチスレッド機構を用いて高速に実現する方式を提案する. 提案する手法では, LOTOS仕様の部分動作式間に指定された実行関係の階層構造を共有領域に持たせ, 各部分動作式を実現するスレッドから参照・書き込みができるようにすることによって, 複数の部分動作式間に任意のオペレータが階層的に指定された複雑な動作式を扱うことができる. また, 部分動作式間の最新の実行関係を保持することにより, 選択や割込によるプロセスの消減や, プロセス呼び出しなどにより部分動作式間の実行関係が動的に変化する一般のクラスの動作式を実現している. 各スレッドの共有領域へのアクセスを効率化することで, 本方式により, 選択実行や割込実行に関して大幅に制限している既存のLOTOSコンパイラと比べても実行効率の高い目的コードが生成できることを実験により確かめた.
一般社団法人情報処理学会の論文
1998-02-15