アブラナ科野菜根こぶ病菌の第2次遊走子によるハクサイ根毛の再感染
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概要
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アブラナ科野葉根こぶ病菌 (Plasmodiophora brassicae Wor.) により根毛感染を起こしたハクサイ子苗をよく洗浄し, ノマルスキ-微分干渉顕微鏡下で付着休眠胞子のないことを確かめたのち, 殺菌土壌あるいは石英砂中に生育させた健全ハクサイ子苗に隣接して接種源として移植した。移植3日後から健全ハクサイ子苗に新たに根毛感染が認められ, 根毛内の遊走子のう集団は日数とともに増加した。一方, 休眠胞子接種土壌中では6日後から根毛感染がおこり, 根毛内の遊走子のう集団は7日後から急激に増加し, 8〜9日後には根毛感染個体を接種源とした場合より高い感染率を示した。また, 石英砂中より土壌中で高い根毛感染率が得られた。さらに根毛内に遊走子のう世代を有する再感染個体をよく洗浄し,再び接種源として移植した場合にも隣接の健全ハクサイ子苗に根毛感染と遊走子のうの形成が認められた。根毛感染個体を殺菌土壌または石英砂中に移植し, その周囲にハクサイを播種または移植した場合にも新たに根毛感染が認められた。以上の結果からアブラナ科野菜根こぶ病菌の根毛感染世代に形成される第2次遊走子は新たに健全な根毛に再感染し, 遊走子のうを形成することが明らかとなった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1984-04-25
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