アブラナ科野菜根こぶ病菌の生態と防除(野菜・花きの土壌病害をめぐって)
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概要
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根こぶ病菌の生態として,まず最新の本病菌の一部解明されていない生活環を図で示し,このなかで伝播の役割をもつ休眠胞子と遊走子について解説した。休眠胞子の発芽と生存力についての最近のいくつかの新知見が,今後のこれらの研究の糸口となることが示された。また外界の諸環境に強い休眠胞子と弱い遊走子という側面からも検討した。土壌中での菌の垂直分布は地表から20cmぐらいまでに多いことが示された。根こぶ病の防除について,耕種的,化学的および物理的方法があり,これらの現在までの研究成果を活用すると同時に,今後つぎつぎと明らかにされる新知見を導入して,多くの防除手段を駆使し,実行することが重要と考えられる。本文では重点的に,発病抑止土壌では原因物質存在の可能性,輪作では土壌中の菌量を減少させる作物について,抵抗性品種の栽培では,抵抗性は根こぶ形成への侵入と感染,そして根こぶ肥大の抑制と抵抗性品種を侵す菌レースについて,化学的防除では3種市販薬剤の発病抑制持続期間,根毛感染と根こぶ形成への侵入と感染の阻止,そして根こぶ肥大抑制について,物理的防除としては太陽熱利用による汚染土壌の熱消毒について述べ,考察を加えた。
- 日本土壌微生物学会の論文
- 1992-03-01
著者
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