オオムギ黄萎病 (新称) の発生
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概要
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1980年5月, 新潟県長岡市のオオムギ (ミノリムギ) に黄化萎縮症の発生をみた。その病因を探索した結果, ウイルスに起因することが判明した。その病原ウイルスはムギクビレアブラムシ (Rhopalosipum padi) により永続的にムギ類, 禾本科牧草, イネ等に伝染した。ムギミドリアブラムシ (Schizaphis graminum), トウモロコシアブラムシ (R. maidis) では伝染しなかった。接種したオオムギ, コムギ, ライムギ, カラスムギでは葉身の黄化あるいは赤化を伴った萎縮症状が現われた。他の禾本科植物では病徴は認められなかった (不顕性感染)。病植物から部分純化した標品には直径約 25nm の球状粒子が認められ, 膜吸汁法により病原性が確認された。また, 本ウイルスの不活化温度は65〜70Cであった。一方, 感染オオムギの超薄切片法による観察の結果, 直径約 22nm の球状ウイルス様粒子が篩部組織にのみ認められた。これらのことから, 本ウイルスは barley yellow dwarf virus の一系統と考えられ, 本病をオオムギ黄萎病と呼ぶことにしたい。
- 日本植物病理学会の論文
- 1983-07-25
著者
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