うどんこ病感染オオムギ葉細胞における病原菌のウラニン染色による生死判別
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概要
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オオムギうどんこ病菌race Iを接種したオオムギの第一葉を, 先に報告した生体染色剤, ウラニンで染色し, ウラニンの螢光色の変化と病原菌の細胞質の崩壊を指標として, 宿主細胞の抵抗反応と菌の生死との関係を調べた。その結果, 第一次侵入部のパピラに顕著な螢光化が認められたものでは, 接種48時間後には, いずれの品種においても約50%の胞子が死んでいた。パピラが螢光化しない場合, あるいはパピラの螢光化が弱い場合には死なずに, 付着器から二次的に侵入糸を伸長させた。第一次侵入部の表皮細胞に螢光化が誘導される頻度は抵抗性の強いものほど高かったが, 螢光化が起こったものではいずれの品種または細胞においても90%以上の胞子が接種24時間後に死んでいた。表皮細胞に正常吸器が形成された場合, 抵抗性のHeil's Hanna, Turkey 290, Black Russianでは葉肉細胞が螢光化した。この場合, 接種48時間後以降に螢光化が速かに起こったものほど菌の死滅頻度は高かった。一方, オオムギ品種A. 222の二次侵入部の表皮細胞に速かに螢光化が起こったものでは, 接種48時間後以降に50%以上の菌が死んだが, 螢光化が起こらなかったものでは二次菌糸を伸長し, 胞子を形成した。以上のことから, オオムギうどんこ病菌に対する宿主細胞の抵抗反応として, 宿主細胞に集積する螢光性物質が病原菌に対して殺菌的に作用していることが示唆された。
- 日本植物病理学会の論文
- 1981-07-25
著者
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