ウラニンによるオオムギうどんと病菌の生体染色
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概要
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従来, 植物細胞の生体染色に用いられてきたウラニン(螢光色素)をオオムギうどんこ病菌の生体染色に応用した。スライドグラス上で発芽させた分生胞子とオオムギ品種Trebi Iの第一葉に形成された菌そうを, 1/15Mリン酸緩衝液に溶かした0.01%ウラニン(pH4.8)で10〜20分染色し, 螢光顕微鏡下でそれらを観察すると鮮かな緑色螢光を呈した。ウラニンは, 分生胞子と菌糸の細胞質にとり込まれ, 液胞との区別がよく観察された。一方, オートクレーブで殺菌したものは, ウラニン染色によって褪黄色の螢光を示し, 細胞質が崩壊しているのを呈色反応によって識別することができた。一方, 鮮緑色螢光を呈する分生胞子あるいは菌糸を螢光顕微鏡観察に用いるB-励起(NUV)で連続的に照射すると, 細胞内のウラニンの螢光強度は, 7〜8分後に急激に低下し, その螢光は, 鮮緑色から, 褪黄色に変わり, 細胞質も崩壊した。以上のことから, 生きているオオムギうどんこ病菌は, ウラニン染色後, 螢光顕微鏡で観察し始め5分以内に観察すれば, 鮮緑色螢光を発するので, 死んだものと区別できることが明らかになった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1981-07-25
著者
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